【関西学生アメフト:同志社大学VS近畿大学を実況】

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12月11日に行われたケイオプティコムフラッシュボールシリーズ 2016関西学生アメフト秋季リーグDIV1-DIV2入れ替え戦の実況を担当しました。

対戦カードは(DIV1-8位)同志社大学ワイルドローバーVS(DIV2-Bブロック1位)近畿大学デビルズでした。

当日は解説に同志社大学アメリカンフットボールOBの川口隆弘さん。
近畿大学アメリカンフットボール部OBの岡田善行さんにお越しいただきました。
▼試合の様子はrtvにて配信されています▼
http://rtvsports.jp/kcafl/1480

▼youtubeでもご覧になれます▼
https://www.youtube.com/watch?v=zN__Zmk5CFY

※同日に行われた神戸大学VS桃山学院大学の記事はこちら
http://kotokake.jp/sports20161212/

同志社大学がDIV1の座を守り切る

結果は37-7で同志社大学が近畿大学に勝利しDIV1の座を守りました。
一方の近畿大学は敗戦。2年ぶりのDIV1復帰とはなりませんでした。

試合の立ち上がりは両チーム譲らない展開。
同志社大学が先制をすると、近畿大学もすぐさま取り返すという展開でした。
しかしながらその後は近畿大学側のミスで得たチャンスを生かし、各Qで得点を奪います。

第1Qは同志社大学はリバースプレーから#88山田順哉が左サイド34ydsを駆け上がりタッチダウン!
しかし、そのすぐさま近畿大学もゴール前まで攻め込み#8岡村綾土のランプレーでタッチダウン!同点へと追いつきます。

しかしここから同志社大学は#8古角知也の2本のタッチダウンを含む4本のタッチダウンと3本のFGで合計37点を奪い勝利。流れを渡さないまま勝ち切りました。4年生は後輩たちへ来期もDIV1で戦える嬉しい置き土産を残し引退を迎えました。

やられたらやり返す

同志社大学のレシーブから幕を開けた試合。第一試合の神戸VS桃山とは異なりオフェンスが冴えます。
ランプレーで敵陣まで入り込んだ同志社大学はゴール前34ヤードでリバースプレーを選択。#88の山田が左サイドを駆け上がります。リードするブロッカーに助けられてそのままエンドゾーンへ!
タックルを受けながらでしたが嬉しい先制点を獲得。タッチダウン後のキックも決まり7-0と同志社大学が先制します。
2年ぶりのDIV1復帰を目指す近畿大学は最初のキックオフリターンでWR#17中川がナイスリターン。更にファーストプレーでRB#11矢部が目の覚めるようなランプレーで30ヤード近くを獲得!一気に敵陣へ。
その後QB#8岡村が自らも走り込み前進をしていきます。WR#84村川のキャッチや同志社側の反則もあり、ゴール前へ。
最後は岡村がエンドゾーンへ走り込みタッチダウン!キックも決まり7-7の同点へ追いつきます。

両チーム最初のオフェンスシリーズでタッチダウンを奪うという展開となりました。

流れは徐々に同志社大学へ

「どこで試合が落ち着くか?」という解説の川口さんからのコメントもありました。
追いつかれた同志社大学は先生の勢いそのままに近畿大学へと襲い掛かります。

この日はQB古角だけでなく、#12の壷井も起用した同志社大学。
パスを投じ敵陣へと攻め込みます。しかし近畿大学もDF陣が踏ん張り3回の攻撃を止めます。
同志社大学はゴール前38ヤードでFGを選択。このFGをK田畑が決めて3点を追加。10-7と再びリードを奪います。
2度目のオフェンスシリーズも着実に得点へ結びつけました。

勝ち越された後の近畿大学のオフェンスに注目は集まります。
キックオフリターンでは矢部がセンターライン近くまでリターンし良いポジションでオフェンスがスタート。このチャンスを生かせるかどうか。

3回の攻撃ではファーストダウン更新はなりませんでしたが、近畿大学は4thダウンでギャンブルプレーを敢行。パンターがスクリーンプレーのようなパスを投げ前進を試みます。しかしあと少し届かずに攻守交替。得点には結びつかないものの見ている人を楽しませてくれます。そしてこのまま得点は動かず第1Qは終了となります。
しかし両チームパントを蹴ることなく第2Qへ移っていきます。

1プレーで流れが変わる

非常にレベルの高い立ち上がりとなったこの試合。同志社大学は初のパントを蹴り攻守交替。
エンドゾーンぎりぎりの位置から近畿大学のオフェンスとなります。
近畿大学はRB#27小滝のランプレーにWR#15小梶のプレーで前進し、徐々に陣地を回復していきます。

ここで同志社大学が流れを変えるインターセプト!流れをチームへ呼び込みます。
ディフェンスがつくったチャンスをオフェンスが得点へと結びつけるかどうか?
その最初の1プレーで同志社大学が魅せます。QB古角からWR#1草深へのパスが通りタッチダウン!リードを広げます。

タッチダウン後にセレブレーションの反則があり、解説陣からは様々な意見が飛び交うシーンもありました。
しかしながら同志社大学はタッチダウンとキックが決まり17-7とリードを10点へ広げました。

これ以上リードを広げたくない近畿大学ですが、痛いミスが生じます。
QB岡村からRB小滝へのピッチが乱れファンブル。そのボールを同志社大学がリカバーして攻守交替。同志社大学は敵陣で再び得点のチャンスを得ます。
タッチダウンを決めたWR草深のパスキャッチもあり、ゴール前へ。最後はQB古角がランで持ち込みタッチダウン!チームとしては3本目のタッチダウンで24-7と更にリードを広げます。

このまま17点リードで後半かと思われましたが、同志社大学は再びチャンスをもぎ取ります。
近畿大学のランプレーをタックルした際にボールをファンブルさせます。そのボールをリカバーしこの試合3回目のターンオーバーで攻守交替。追加点のチャンスを得ます。

近畿大学のディフェンスもここはタッチダウンを奪われないよう懸命に守備。最後はFGまで持ちこたえましたが、このFGが決まり27-7として後半へ。1つのミスが大きく戦況を変えることを感じた第2Qになりました。

後半流れを変えられるか?

20点を追いかける近畿大学は後半オフェンスからスタート。
前半キックオフリターンで距離を稼いだ近畿大学でしたが、立ち上がりは同志社大学がナイスカバーを見せました。

キッキングチームは試合の戦況を変えるくらい非常に重要なチーム。
しっかりと対応して、近畿大学のオフェンスを阻んでいきます。
LBの明原も中央のプレーを止め、足の速いRB小滝のランプレーを阻みます。最初のオフェンスシリーズはファーストダウン更新に至りませんでした。

攻守変わって同志社大学。QBは壷井が入ります。
もう1点も取られるわけにはいかない近畿大学はDL清水がタックルを行い前進を防ぎます。
しかし同志社大学は古角、酒井のランプレーを含め徐々に敵陣近くまで攻め込みます。
最後は古角が自ら持ち込み今日2本目のタッチダウンを獲得。34-7と更にリードを広げます。

DIV1での経験の差

近畿大学は1本でも返していきたい局面ですが、なかなかあと一歩が出ません。
プレーの中で解説の岡田さんが再三話をしていたのが「DIV1との差」についてでした。

昨年は逆の立場で同じ場所、同じチームと対戦。
今年は同志社大学がDIV1でプレーするというシーズンでした。

昨年と比較して大きく異なっていたのがその「スピード」だと話をされていました。
オフェンス・ディフェンスラインのスピード。タックルのスピード。
DIV1というレベルの高い環境で体感した経験の差が今日の試合に出たのではというお話でした。

結果として近畿大学はインターセプトやファンブルから失点する結果となりました。
対して、同志社大学は得た流れを確実に得点へと結びつけました。
第4Qも敵陣へ攻め込みFGで追加点。37-7としこのまま試合終了。
近畿大学は2年ぶりのDIV1復帰とはなりませんでした。

何を目標にするか?

試合の中で川口さん、岡田さんから試合に通じて厳しい意見もありました。
特にDIV2で戦うチームにとっては入れ替え戦を目標に1年間取り組んでいます。

「この点差は環境の差でもある」という言葉は練習環境やバックアップの環境だけを指すことではありません。
どんな思いで1年間を戦ってきたか?その姿勢がある意味問われたとも思います。

DIV2という環境下の中で、どのような意識で練習や試合に取り組んでいくか。
もちろん今季全力でプレーをしたことは間違いではないと思います。
しかし、目標をどこにおくか?そのためにどのような意識で行動していく必要があるか?そうした取り組む姿勢について考えさせられる一戦になったように思いました。

来シーズンのDIV1編成は?

◆来年の関西学生アメフトDIV1チーム編成◆
関西学院大学
立命館大学
関西大学
龍谷大学
甲南大学
京都大学
同志社大学:残留
桃山学院大学:昇格↑
==========
神戸大学:降格↓DIV2へ
近畿大学:残留 DIV2のまま

入れ替え戦の結果上記のようになりました。
来シーズンのリーグ戦も楽しみです。

先日の試合で今年の実況は全て終了となりました。
至らない点もあったかと思いますが、私自身もしっかり振り返って、更によい実況で楽しんでいただけるよう精進していきます。

来シーズンも関わることができれば引き続きよろしくお願いします。

 
Kotokake代表 能政夕介(のせ・ゆうすけ)

立命館大学産業社会学部卒。大学時代、RBC(立命館大学放送局)にてアナウンサーとして在籍。ラジオDJやステージの司会を行う中で「人に伝える」ための方法やコンテンツ作りの楽しさを知る。卒業後は楽天(株)に就職し、インターネットを通じたマーケティングやコンテンツ開発から、楽天市場に出店する店舗様の売上を上げるコンサルタントを経験。
現在はフリーアナウンサーとして結婚式、イベントの司会や話し方の教室を開講し講師として活動中。「話すことが楽しい!」と思える人を増やすために、学生から主婦まで幅広くオンラインや直接指導を行っている。
なでしこリーグ、高校野球、アメリカンフットボールの実況中継も担当。結婚式二次会のノウハウコンテンツも執筆中。

Kotokake公式HP-話し方講座やオンライン講座も実施中-
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