【モノは使いよう:届かなかった年賀状】

      2017/01/02    - コラム


先日「あーしまった」と思うことがありました。

皆さんは最近そんな場面はありましたか?

僕の場合は、気づきと感心をしたそんなできごとでした。

日々の何気ないところに成長する機会は転がっていますね。
届かない年賀状
先日スターバックスで読書をしていました。
因みに僕の選択肢は以下の3つです。

・ブレンドコーヒー
・ダークモカチップフラペチーノ
・スターバックスティーラテ イングリッシュブレックファースト

ですね。気分に合わせて注文しています。
さて、そんなことは置いておいて。

10名座れる大きなテーブルの端っこに座っていました。

今日の読書のお供はこの本でした。

すると、家族連れが来店され僕の2つ隣に3歳の少年。その隣に1,2歳上のお姉ちゃんが座りました。

お父さんが注文している間、何やらその姉弟は年賀状にお絵かきをしているようでした。

ふと隣を見ると、3歳の少年の年賀状がテーブルを滑っていき手の届かない位置へ。
向かいに座っていた若いお兄さんが微笑みながらその年賀状を少年の近くへと滑らせていきました。

ここまでは微笑ましい一コマでした。
しかし何と、若いお兄さんの滑らせた年賀状は少年の手元の前で止まってしまいました。
3歳の手の長さでは届かない距離。

懸命に手を伸ばしますがあと少し届きません。

さて。みなさんならこの状況でどのような行動を取りますか?
少し考えてみてください。

届かなかった年賀状

少年は懸命に手を伸ばします。
ただ身体も小さいので、限界があります。

その様子を見ていた僕は、そっと年賀状を彼の手元に戻しに行こうかと腰を浮かせかけました。
その時、少年はお絵かきをしていた色鉛筆のケースに触れました。
そして、そのケースを使って年賀状を取ろうと更に懸命に手を伸ばしました。
年賀状へはそのケースの長さがプラスされて、ちょうど届く位置。

少年は誰の手も借りることなくその年賀状を自分の手元へと手繰り寄せました。
手だけでは届かなかった年賀状を、道具を使うことで見事自分の手元へと戻すことに成功したのです。
ここで冒頭に戻って「あーやってしまった」と思いました。

可能性を信じること

心の中で「小さな子供だから」
自分がしてあげなければいけない。
という気持ちが無意識に働いてしまっていました。
決して悪い感情ではありません。

しかし、今回のことで言うと「成長を阻害」してしまう可能性はありました。
大人が手を伸ばして年賀状を取ることは容易でしょう。

でも、その少年が自ら考え、一人で届かなかった年賀状を道具を使って手に入れた。

この経験は非常に重要だと思います。
子育てでも、後輩指導でも、自分が代わりにやることはある意味一番簡単です。
でもそれでは人は育たない。いつも誰かがいないと何もできなくなる可能性がある。
だからこそ、相手と目線を合わせて、目の前の人がどうなりたいか?本当にこの人のためになることは何か?
そう考えて行動を選択していきたい。

自分がいなければダメという状態は、いつか依存をつくってしまいます。

自立を促すためには、どうすれば達成できるか?を一緒に考えて寄り添う支援を行うということ。

頭では分かっていても、無意識ではまだまだだと考えさせてくれた良い経験でした。

少年よありがとう。君の可能性を一瞬でも疑ったことをここでお詫び申し上げようと思います。

立命館大学産業社会学部卒。大学時代、RBC(立命館大学放送局)にてアナウンサーとして在籍。ラジオDJやステージの司会を行う中で「人に伝える」ための方法やコンテンツ作りの楽しさを知る。卒業後は楽天(株)に就職し、インターネットを通じたマーケティングやコンテンツ開発から、楽天市場に出店する店舗様の売上を上げるコンサルタントを経験。
現在はフリーアナウンサーとして結婚式、イベントの司会や話し方の教室を開講し講師として活動中。「話すことが楽しい!」と思える人を増やすために、学生から主婦まで幅広くオンラインや直接指導を行っている。
なでしこリーグ、高校野球、アメリカンフットボールの実況中継も担当。結婚式二次会のノウハウコンテンツも執筆中。

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