【なでしこリーグ1部第13節 伊賀FCくノ一VS日テレベレーザ】

      2016/09/24    - スポーツ実況


9月19日に行われたプレナスなでしこリーグ1部の第13節の試合を実況担当させていただきました。
対戦カードは伊賀FCくノ一VS日テレベレーザ。今季4度目の対戦となります。
結果は0-1でベレーザが阪口の今季5点目の先制ゴールを守り切り勝利。首位をキープしました。そのゲームを簡単に振り返っていきたいと思います。

今季はカップ戦を含めてここまで0勝3敗と伊賀は勝ち点なし。
リーグ戦の第5節では伊賀が先制点を前半終了間際に奪いますが、結果は1-2で敗北という結果でした。

一方のベレーザはリーグ戦首位独走態勢に入りつつあります。
カップ戦でも準決勝、決勝をともに4-0で勝利をしタイトルを獲得。
リーグ戦連覇に向けて勝ち点を積み重ねたい一戦となりました。

一進一退の攻防

前半は一進一退の攻防が続きました。
中盤はベレーザが得意のパス回しで支配するものの、伊賀も深追いはせずゴール前では堅い守備でゴールを守りきります。
ただ伊賀も防戦一方ではなくFWの小川や日本代表としても選出されている杉田も果敢にゴールを狙います。

前半は0-0のまま後半へ。ベレーザは主導権を握りつつも、あと一歩というところが出ませんでした。余裕はあるんですが、少し苦しい展開というところでしょうか。

ベレーザは前半の34分に先発の上辻に代えて隅田を投入。早い段階で変化をつけてきます。
前半終了間際の43分にベレーザにチャンスが訪れます。
DFを2枚背負いながらもドリブル突破した阪口から田中へパス。その田中が冷静に裏のスペースに走りこむ籾木へ。
籾木もうまく走り込みシュート!を打ちますが地元岐阜の凱旋試合となるセンターバックの大橋が気迫のスライディング。

身体を投げ出して守備をしてチームのピンチを防ぎます。ここは見ごたえのある攻防でした。

▼9/19 難攻不落だ伊賀の壁!大橋が決定機阻止 伊賀FC vs. 日テレ▼
http://sports.yahoo.co.jp/video/player/126808

日本代表コンビが均衡を破る

後半も主導権を握ったのはベレーザ。
サイドバックの清水、有吉の2人の運動量は豊富で前半には清水のクロスに有吉が合わせるといったような珍しいサイドバックが2枚ともオフェンスに参加するというシーンもありました。

ベレーザは全ての選手が流動的に動き、空いたポジションに入り役割を果たします。
普段からの連携もそうですが、ベンチの人数が多いとは言えない中、全員が組織として攻守を行う意識が浸透しているように見えました。

そんな中、ゲームが動いたのは後半9分。
左サイドで攻め込んだベレーザは有吉がDF2枚を振り切りつつ中へクロスを上げます。そのクロスに足を投げ出しながら飛びこんだのはエースの阪口。
上手く当てて、ボールはゴールの中へ。ベレーザが有吉・阪口の代表コンビで1点を先制しました。

▼9/19 阪口が先制点決める!今季5得点目 伊賀FC vs. 日テレ▼
http://sports.yahoo.co.jp/video/player/126809

伊賀FCもスピードのある園村を投入(前節で公式戦100試合を達成)右サイドからスピードに乗ってチャンスを演出しようと試みます。
一方のベレーザもFWの田中に代えて三浦を投入。オフェンスに変化をつけようと試みます。

後半は特にベレーザが攻め込むシーンも多く、後半だけでコーナーキックは7本。
リーグ戦ではセットプレーからの失点も多かった伊賀ですがベレーザの猛攻を防ぎました。

試合は阪口のゴールを守り切りベレーザがアウェイの地で勝利。勝ち点3を積み重ねました。
13節終わって2位AC長野パルセイロレディースとの勝ち点差は7。独走態勢に入りつつも、ヒロインインタビューで「周りが思っている以上に余裕はない。」と話していたことも印象的でした。

目の前の試合に全力を注ぐからこそ、油断や慢心という意識が少ないのかもしれません。

ただ、一方の伊賀も野田監督就任後大きくチームが変わってきているように思います。
特にオフェンスへの意識として、繋いで、前でキープする時間をつくりつつ流れの中でゴールを狙うシーンが増えてきたように思います。
今回の試合はシュートは2本に終わりましたが、良い形が見えたシーンも何度がありました。

そして守備に関してもベレーザ相手にシュート6本に抑えたことも素晴らしいと思います。
中盤のボール回しに過剰に反応せず、取れるボールだけを取りに行くこと。
プレスをかけるタイミング等、組織で守る姿勢というのが見られました。
この点はセンターバックの宮迫・大橋を中心に畑中・小嶋のDFライン。
そして中盤のキャプテン那須の声かけを含めチームの連携が少しずつかみ合ってきているのかなと思わせてくれました。

3位~7位の間は勝ち点5という拮抗した状態(第13節終了時点)
連覇に向けての動きもですが、残留争いや、来季に向けた動きもはじめ次節も目が離せない状態です。

熱き試合が続くなでしこリーグに引き続き注目をしていきたいです。
是非皆さんも実際に会場に足を運んで、彼女たちの真剣かつひたむきなプレーを楽しんでみてください。

※一部選手名に誤字がありましたので修正いたしました。失礼いたしました。(9月24日)

Kotokake代表 能政夕介(のせ・ゆうすけ)

立命館大学産業社会学部卒。大学時代、RBC(立命館大学放送局)にてアナウンサーとして在籍。ラジオDJやステージの司会を行う中で「人に伝える」ための方法やコンテンツ作りの楽しさを知る。卒業後は楽天(株)に就職し、インターネットを通じたマーケティングやコンテンツ開発から、楽天市場に出店する店舗様の売上を上げるコンサルタントを経験。
現在はフリーアナウンサーとして結婚式、イベントの司会や話し方の教室を開講し講師として活動中。「話すことが楽しい!」と思える人を増やすために、学生から主婦まで幅広くオンラインや直接指導を行っている。
なでしこリーグ、高校野球、アメリカンフットボールの実況中継も担当。結婚式二次会のノウハウコンテンツも執筆中。

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