WeリーグプレシーズンマッチINAC神戸レオネッサ対AC長野パルセイロレディースの一戦を実況担当

      2021/06/07    - スポーツ実況


先日歴史的なリーグ開幕の前哨戦。WE2021プレシーズンマッチの中継にて実況を担当させていただきました

解説は元フットサル女子日本代表、INAC神戸レオネッサでも過去プレーされた小村美聡さん(INAC神戸レオネッサ 2004年~2006年在籍)

現在2児の母親であり、日本女子フットサルリーグARCO KOBEに所属するアスリートでもあります。ご自身は過去女子サッカーを舞台にプレーし、海外でフットサルなど幅広い経験を積まれました

だからこそ今回のWeリーグの開幕を喜ばれていましたし、前哨戦でもあったプレシーズンマッチを迎える中でこみ上げてくるモノがあったようです

さて、そんな中迎えたプレシーズンマッチの結果は3-0でINAC神戸レオネッサが勝利

点差は3点つきましたが、長野は球際の守備や特に後半多くの決定機をつくりました

2019年は1部残留ができず降格という悔しい想いをし、2020年は2部で5位という成績。決して順風満帆の状況で今回のWeリーグを迎えるわけではないかもしれません。それでも小笠原新監督は「若いメンバーも多く、その特性を生かしながら9月までにしっかりとWeリーグで戦えるチームに仕上げたい」と話をしてくれていました

試合の中継はyoutubeにて配信されています。今年のINAC神戸レオネッサの新ユニフォームにも注目しながら是非ご覧ください

新加入メンバーも含めて両チーム様々なトライを実施

INAC神戸レオネッサは昨年主力だった岩渕、鮫島、スタンボーに加え川澄、八坂、仲田、増矢や島袋などが移籍・復帰

田中美南はドイツのレーバークーゼンでプレー中とメンバーが入れ替わった。新加入は6名で最小限の加入に留めた印象もある。

そんな中スタメンでは新加入の山下杏也加、成宮、竹重が起用

3バック(三宅・西川・守屋)でアンカー気味なポジションに中島。右に竹重、左に伊藤美紀、中央に成宮と天野を配置して2トップに杉田と高瀬を起用していました

一方の長野がご覧のスターティングメンバー

21 GK 伊藤有里彩
4 DF 池田玲奈
5 DF 大河内友貴
13 DF 肝付萌
24 DF 橋谷優里
6 MF 大久保舞
11 MF 岡本祐花
17 MF 三谷沙也加
18 MF 伊藤めぐみ
10 FW 瀧澤千聖
19 FW 瀧澤莉央

昨年チーム得点王だった中村や経験豊富な泊はベンチからスタート。しかしながら後半にこの2人が入って攻撃が活性化された部分も。守備面でも橋谷や肝付は体を張ったブロックや攻撃面でもチームを盛り立てる動きを見せてくれました。

今季から10番を背負う滝澤千聖も積極的な裏抜けや、前線からのプレスを見せていましたが得点には結びつかず。後半のようなサイドからのチャンスメイクもできれば長野もさらに良くなっていくように感じました

成宮の運動量に竹重のポテンシャル

得点を決めた成宮については流石の一言。2得点ともCKを起点にした得点でした。1点目は高瀬のシュートをブロックされたこぼれ球を押し込み、2点目もクロスバーの跳ね返りを冷静に押し込み移籍後初得点を決めました

個人的にはこうしたゴール前での決定力もさることながら、運動量の部分に注目したいと思いました。トップ下のようなポジションでプレーしていた成宮でしたが攻守でもボールホルダーの近くでポジションを取りチャンスとリスクマネジメントの両方を担っていました

フィジカル面では課題はあるものの、ボールタッチも含めて新加入の選手がこうして結果を残した点はINACにとっても大きいと思います

そして日ノ本学園高校から新加入の18歳、竹重もスタメンに抜擢され右サイドからチャンスをつくっていました

恵まれた172センチの体格と負けん気の強さを生かしてゴールへ向かうシーンが印象的でした。その中でも杉田が竹重に対して激しく指示を飛ばす場面もあり、こうした実践を経て成長していくのかなと楽しみになりました

GKの山下杏也加は「流石」の一言。前半はGKからチャンスメイクなどキックの精度の高さを見せ、終盤の長野の決定機はシュートストップで会場を沸かせました

GK争いもシーズン通じて楽しみでもありますね。見ごたえのある場面が非常に多かったです

肝付の上がりに瀧澤莉央の可能性

長野は前半シュート0本でしたが、INACの14本のシュートを体を張って守備をしました。大河内や橋谷が体を張って守るシーンが多かった印象ですが、SBでプレーする肝付は攻守で存在感を出していたように感じました

特に後半ではドリブルで持ち上がりシーンもあり、攻撃面で課題のあった前半からの変化を感じるシーンもありました

そして前半からタフに走りチャンスを狙っていた瀧澤莉央。後半に入り積極的に前を向きゴールへ向かう場面が増え、シュートを放つシーンも

神奈川大学から新潟でプレーし、今季から長野に加入した瀧澤莉央はポテンシャルも十分。シュートはクロスバーをたたきましたが、それでも得点を感じさせるポテンシャルが伝わりました

伊藤めぐみや大久保など中盤でもハードワークできる選手がいる中で、連携面や攻撃の形が整えば面白チームになるのでは?と感じた一戦。まだまだこのプレシーズンマッチで変化してきそうですね

終盤押し込む時間があった長野ですが、GKの山下杏也加が素晴らしい守備で魅せた後は杉田が一気にカウンター。サイドへ展開するパスを通して途中から入った水野が冷静に決めて3-0とINAC神戸が勝利

両チームとも選手の交代も含めて良い経験が詰めた一戦だったのではないでしょうか?

次回INACはAで5/4 ちふれASエルフィン埼玉と対戦
長野はホームで4/29 新潟と対戦します

INACは5月22日にホームで浦和を迎えます。昨年のなでしこ覇者との一戦。この試合も楽しめそうです

Weリーグは9月開幕予定。コロナの脅威もありますが、無事開催されて女子サッカーに新たな歴史が刻まれることを楽しみにしています

 

▼プレシーズンマッチのフル動画▼

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Kotokake 代表 能政夕介

立命館大学産業社会学部卒。大学時代、RBC(立命館大学放送局)にてアナウンサーとして在籍。
ラジオDJやステージの司会を行う中で「人に伝える」ための方法やコンテンツ作りの楽しさを知る。
立命館大学卒業後は楽天(株)に就職し、インターネットを通じたマーケティングやコンテンツ開発から、楽天市場に出店する店舗様の売上を上げるコンサルタントを経験。その後独立をする。

現在はフリーアナウンサーとしてDAZNやスカパー等でスポーツ実況も担当している。
その他にも結婚式、イベントの司会や企業・高校・大学等へコミュニケーションの講師としても活動中。
「話すことが楽しい!」と思える人を増やすために、学生から主婦まで幅広くオンラインや直接指導等を行っている。

【過去の出演歴】
DAZNにてJリーグ中継(J1/J2/J3)、スカパーにて天皇杯やユースの試合等も担当。
その他にもなでしこリーグやアメリカンフットボール・ラグビー・高校野球の実況担当経験もあり。


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