【なでしこリーグ第9節INAC神戸レオネッサVS日テレ・ベレーザの一戦を実況】

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5月21日(日)13時~INAC神戸レオネッサのホーム、ノエビアスタジアムにて日テレ・ベレーザとの首位攻防戦が行われました。なでしこJAPANや世代別代表を多く輩出している両チーム。
レベルの高い試合を展開してくれました。

▽INACtvにてゲームの様子を配信▽
https://www.youtube.com/watch?v=TG2BaJ4TZho

試合は4年ぶりにINACがベレーザに1-0で勝利。
鮫島のオーバーラップから京川が前線で受けて、ペナルティエリア内でファウルを受けてPK獲得。
京川が開幕戦以来のゴールを決めて1-0。その1点を最後まで守り切り勝利。

前日AC長野パルセイロレディースが6-0でちふれに勝利をしたことがあり、得失点差で長野が2位。INACは3位となりました。

しかしながら、首位ベレーザとの勝ち点差は3と詰まり、後半戦はまだまだどのチームが抜け出すか分からない状態。後半戦も非常に楽しみです。

前半は0-0で折り返す

INACは前節からメンバーを入れ替えて臨みました。

IN:増矢、杉田妃和、チェイエスル
OUT:大野、田中明日菜、伊藤

ここまで中島と並んでチームトップの得点数。そしてリーグ通算180ゴールを決めた大野を控えに。
更にCBのコンビに三宅・守屋。右のSBにはキャプテンの高瀬を起用しました。
高瀬は人生初のSBをプレーすることになりました。

一方のベレーザはSBに土光を起用(有吉はケガで欠場。宮川はU19のアメリカ遠征へ)しました。
今季SBでプレーをしていた中里は阪口とボランチを組みます。

6節~8節勝利がないINAC。一方今季ここまで負けなし。失点も2点と堅守を誇るベレーザに対して注目の立が上がりは、ボランチで初コンビを組む福田・チェイエスルも攻守で豊富な運動量を見せます。

また、INAC両SBの高瀬、鮫島も高い位置で攻撃参加する機会もつくり、攻撃のチャンスをつくります。
ベレーザも得意のパスサッカーで、INAC陣内に侵入。
それぞれのポジションの選手が流動的に動き、ボールを受けチャンスを演出していきます。

ベレーザが攻め込めば、INACが守備で守り切る。そして攻守を切り替えて相手陣内に攻め入る。
両チーム譲らない試合展開となりました。

ベレーザはパスを繋ぎながら、最終ラインからのビルドアップもあれば、サイドを起点に攻め込むシーンも。
一方のINACは逆サイドへのサイドチェンジや、高い位置でボールを奪いチャンスをつくる等お互いの良さを出しながらプレーを進めていきます。

前半は両チームチャンスをつくりつつもあと1本が出ず。シュートも4本ずつですが無得点。0-0で前半を折り返します。

後半も両チーム集中力切らさず

0-0で折り返して後半が開始。両チームメンバー交代はなく、前半と同じ22人がピッチの上に立つことになりました。
この日は30度近い気温で選手たちにとっても暑さとの戦いもあったかもしれません。
その中で集中力切らさず後半の立ち上がりからプレーをしていきます。

試合は後半21分に動きます。
左サイドから駆け上がった鮫島から中の京川へ。京川が受けてドリブル。GKの山下と対峙しながらペナルティエリア内でキープ。ここを追っていた山下にファウルの判定。

京川が獲得したPKを自身がキッカーを務めます。
ゴール裏のサポーターも声援を送る中、蹴ったボールはネットを揺らし先制点。開幕戦以来のゴールを決めて1-0とINACがリードを奪います。

ベレーザは失点直後にDFの土光に代えて植木を投入。中里を下げて植木を前線へ送ります。
今季は全試合に途中交代で出場し、2得点も決めている植木は高い身体能力を生かして左サイドから攻め込みます。
ここは高瀬も上手く体を入れ替えながら懸命にDF。相手の好機を防ぎます。

ベレーザは隅田に代えて三浦を投入し、フレッシュな選手を入れて攻撃を活性化させます。
30分以降は特に攻め込まれるシーンも増えたINACですが堅い守備で得点を奪わせません。

しかし後半35分頃に、チェイエスルが遅延行為の警告を受けてこの日2枚目のイエローカード。退場となり、10人対11人で戦うことになります。

ベレーザの植木は左サイド、右サイドは三浦。阪口や籾木も中盤からパスを供給しチャンスをつくりますが、INACは中島をボランチにポジションチェンジをし、京川を1枚下げて4-4-1とポジションを変更し守ります。

更には前線の増矢に代えて仲田を投入。その仲田も短い時間ながら、前でプレッシャーをかけボールを奪いに行きます。最後まで集中力を切らさなかった両チームでしたが、INACがPKで獲得した1点を守り切り1-0と4年ぶりにベレーザに勝利をしました。

INACは松田監督となって初勝利。そしてベレーザは今季初めての敗戦となりました。
しかしながらパスやそのパスの受け方。そして球際の強さや諦めない気持ちも含め、見ていて面白い試合を両チームが見せてくれました。

後半戦の展開は?

前半戦を終えての順位表です。(2017年5月21日第9節終了時点)

順位 チーム名(勝ち点)
1   日テレ・ベレーザ(20)
2   AC長野パルセイロ・レディース(17)
3   INAC神戸レオネッサ(17)
4   マイナビベガルタ仙台レディース(17)
5   浦和レッドダイヤモンズレディース(16)
6   Lジェフユナイテッド市原・千葉レディース(12)
7   ノジマステラ神奈川相模原(10)
8   アルビレックス新潟レディース(8)
9   伊賀フットボールクラブくノ一(5)
10  ちふれASエルフェン埼玉(4)

首位ベレーザと2位の勝ち点差は3へと縮まりました。
更には2位~5位までは勝ち点1差と混戦。

カップ戦もあるので、チームとしては総力戦で臨んでいく後半戦。
長野はエース横山の期限付き移籍等もあります。各チーム事情の中、混戦を抜け出すチームがあるか?
それともベレーザが3連覇を達成するか?

今季はTV中継がなくなり、INACをはじめ各地方局が女子サッカーを取り上げるという現状です。決して恵まれている状況とは言えないかもしれませんが、少しでも選手・関係者の皆さんの努力が報われるようできる限りの努力をしていければと思います。

次節以降の熱戦に期待です。

 

Kotokake 代表 能政夕介

立命館大学産業社会学部卒。大学時代、RBC(立命館大学放送局)にてアナウンサーとして在籍。ラジオDJやステージの司会を行う中で「人に伝える」ための方法やコンテンツ作りの楽しさを知る。卒業後は楽天(株)に就職し、インターネットを通じたマーケティングやコンテンツ開発から、楽天市場に出店する店舗様の売上を上げるコンサルタントを経験。

現在はフリーアナウンサーとして結婚式、イベントの司会や話し方の教室を開講し講師として活動中。「話すことが楽しい!」と思える人を増やすために、学生から主婦まで幅広くオンラインや直接指導を行っている。
DaznでのJリーグ中継、なでしこリーグ、高校野球、アメリカンフットボールの実況中継等も担当。結婚式二次会のノウハウコンテンツも執筆中。

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