書評:意思を持って行動することが学べる一冊

      2019/01/08    - , 能政夕介のススメ


タイトル:一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学
作者:cis
ページ数:200ページ
目安読破時間:3時間(2019年1月4日読了:2冊目)

▼表紙はこちら:なかなかパンチの効いたタイトル▼

重要なことは試行錯誤して自分の哲学を決めること

前回の山口周氏の「武器になる哲学」から”投資”繋がりで読みました。

タイトルは『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』
個人で資産230億円を持つ投資家として有名なcisさんの著書です。

サラリーマンの生涯賃金が約2.7億程と言われてますが、80倍近くを個人として資産形成していることを考えると純粋にすごいなと思います。

但し、本著はあくまで”投資の哲学”として著者がこれまで実践してきた考え方の一部を公開しているに過ぎません。ですので、この本を読んだら稼げるようになる。というわけではありません(ほとんどの方が理解されていると思いますが・・)

とはいえ、成功(成果を挙げている)している方の考え方に触れ、学ぶことはプラスに作用すると思います。
実際に僕はこの本を読んで、投資の手法よりも『どうしてその手法に至ったのか?』という過程に非常に興味を持ちました。

著書内でも触れられていますが、cis氏も300万円の資金からスタートし、総計としては1,000万程損失を出した時期もあったと語っている。その中で自らのスタイルを見出して今の結果を築くことができている。
以下個人的に面白いと感じた要素です。

上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる

言葉だけ見れば、投資の世界でしか通用しないと感じる方もいるかもしれません。
これを考え方として着目をしてみると、cis氏は一貫してこの自分の”考え方”を軸に行動をしています。

自分の軸が経験を基に研ぎ澄まされていくと、判断のスピードが上がる。
そして、その経験は自分で痛みを伴っている分よりリアリティが増して、自信に繋がるのだと感じました。
この考え方に対してcis氏は以下のように述べています。

 

・「真のランダム」はイメージより残酷である

これはどういうことかというと、私たちは無意識で確率論を意識してしまっているのではないかという投げかけである。
コインの裏表やサイコロをイメージを例にして語られています。

コインの裏面が出る確率は回数を多く重ねて平均化すれば「50%」

では皆さん、10回連続で自分が振ったコインで表が出たとします。本当の確率は50%ですが、心理的にはそろそろ出るだろうと自分の意識の中で確率を上げてしまっていませんか?(因みに僕はその状況になったら確実に裏が出ると思ってしまいそうです。笑)

著書内では株の要素を例に語られており、『上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる』とcis氏は考えています。
「ここまで上がったから、そろそろ下がるだろう」逆もまた然りです。
決してバランスは取ってくれない中でついつい”感覚”で行動(売買)してしまうことはあまり良くないと語られています。

「何気なく」ではなく、そこに運任せではなく自分の考えがあることは大切だと感じました。

 

・失敗から逃げてはダメで、失敗は当然として、いかに最小にとどめるか

これは株式投資の中にある「損切り」という行動について書かれています。
実生活に当てはめてみると、自分の失敗をいかに認めて、次の行動に移ることができるかという部分に変換できると思います。

こだわりを持つことは重要ですが、その方法が本当に「良いのか?」と疑い、切り替えを行うことも重要です。
とはいえ、株式投資では明確な損失額として、視覚化できますが、実生活だとそれが見えにくい。
だからこそ、検証をする考え方や、客観的に自分を見るという思考が大切になってくるのだと思います。

広く視点を広げてみるとより面白い

その他にも1章~3勝では特に投資の取引を例に出しながら、cis氏自身の考え方について触れられています。これを、違う視点で見てみると新たな気付きを得ることができるように思います。

第5章以降はcis氏の生い立ちも描かれていて、なぜ今のようなスタイルや生業をしているのかのルーツが分かる。正直、そんな早い段階からこんな考え方を持っていたのかという驚きがあった。

世間一般の「普通」とは恐らく異なる経験をしている。
その経験の中で、考え、自分なりの仮説を立て、実行、検証というサイクルを早い段階から回している印象を受けた。

そして、第6章を読めばより深いパーソナルの部分が、第7章にはこれから株を始める人に対してのアドバイスも添えられている。

 

冒頭にもお伝えしたのと、著書の中でも触れられていることではあるが、「本」という誰もが同じ単価で平等に流通をしている時点で著書内に書かれている情報は”古くなり、誰もが実践できるノウハウ”と変わっている。

ここでは、投資で230億円を稼ぐ方法が描かれているわけではなく、230億円を投資で稼いだ人はどんな景色を見ながら資産を積み上げてきたのだろうか?という要素を知ることができるのだと思う。

個人的には、タイトルでも書いている通り、「意思を持って行動すること」が判断のスピードを上げることに繋がり、仮説→実行→検証→自分なりの仕組というPDCAサイクルを確立させていくことに繋がるという部分を大いに感じることができた。

この本を読んで、投資で230億円を稼ぐことができなくても、違った方法で自分の資産を増やす考え方を学ぶことはできると思う。少なくとも私は、ここで得た考え方は仕事やプライベートでの人間関係の中でも気づかされる部分がありました。

数時間で読める一冊なので、手に取ってみてはいかがでしょうか?

 

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Kotokake 代表 能政夕介

立命館大学産業社会学部卒。大学時代、RBC(立命館大学放送局)にてアナウンサーとして在籍。
ラジオDJやステージの司会を行う中で「人に伝える」ための方法やコンテンツ作りの楽しさを知る。
立命館大学卒業後は楽天(株)に就職し、インターネットを通じたマーケティングやコンテンツ開発から、楽天市場に出店する店舗様の売上を上げるコンサルタントを経験。その後独立をする。

現在はフリーアナウンサーとしてDAZNやスカパー、インターネット放送等でスポーツ実況も担当している。
その他にも結婚式、イベントの司会や企業・高校・大学等へコミュニケーションの講師としても活動中。
「話すことが楽しい!」と思える人を増やすために、学生から主婦まで幅広くオンラインや直接指導等を行っている。

【過去の出演歴】
DAZNにてJリーグ中継(J1/J2/J3)、スカパーにて天皇杯やユースの試合等も担当。
その他にもBリーグ、なでしこリーグやアメリカンフットボール、ラグビー、ホッケー、高校野球の実況等の担当経験もあり。


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